◆黒汁CD vol.15
『暴食のクラウナー』
Stage.7 "Are You Starving?"
主人公の宇賀峰十夏(うかみね とおか)は、十七歳の男子高校生。2級退魔官として葛葉市に転校してきた彼は、現在日本で最も危険と言われる封鎖区画――『神のいない街』へと挑む。
葛葉市は突如発生した黒い霧雨により大混乱に陥っていた。1級退魔官の大月南紅(おおつき なこ)と笠木大夢(かさぎ だいむ)は事態の収拾を図るべく陰陽庁の依頼を受ける。
一方、『絶刻の檻』からの帰還を果たした十夏は、暴食の王冠を失ったままエヒカを探す。
再び出会った十夏とエヒカは何を決断するのか。
脚本担当より
完結しました!
これで完結? と言われそうな気もしますが、ひとまずお届けしたいエピソードは全部盛り込みました。
使っていない仕掛けや省略したエピソードは数知れず。それでもこれがローズ倶楽部の『ライトサウンドノベル』としての完成版だと考えています。
ちなみに、張さんと星空の「おじさまvs勝ち気少女」話とか、矢薙先生の「主人公でもないのにあちこち暗躍しすぎでしょ」話とか、無駄に設定が膨らんだものが幾つもお蔵入りしています(笑) でも、そういうのも色々書いた上で、今の形にまとめました。
7話トータルのボリュームで見れば『ライトサウンドノベル』と名乗っていいのかちょっと疑問もありますが、気軽にサクサク楽しめる作品作りには、これからも挑戦していきたいと考えています。
それから、謝辞を。 音楽担当のせ~らんとボーカルのしみずあやさん、イメージデザインのスズさん、ここまで一緒に制作に携わっていただき、本当にありがとうございました!
みんなの協力がなければ完成しなかったと断言できます。
もちろん、毎回買いに来てくださった方々にも最大限の感謝を!
さて、次回作ですが……。
葛之葉学園の地下図書館跡地を巡るダンジョン探索アドベンチャーが始まります! 嘘です、始まりません。
未定です!
それでは、次回のコミケでお会いできることを願って。
音楽担当より(主題歌歌詞)
1
雨上がり
広がってゆく空
青く(アオク) 深く(フカク)
瓦礫の国
貫いてゆく声
強く(ツヨク) 優しく(ヤサシク)
ここから始まる未来は
僕の選んだ道
だからわかってる
どこへ向かうとしても
通り過ぎるなんてできなかった
ガラクタの 玉座で頬杖 ついてる君に 問いかけよう
(Are you starving?)
きっと君は つんと顎をそらし 不敵に笑う
(I’m crowner of my Queen.)
東に浮かぶ 白い月に 願いを掛けよう
(I’m starving all time.)
歯形のように くっきり刻もう
君の次なる願い
(Your crown is the sign of gluttony.)
Hellow New World.
2
振り向けば
街を染める夕日
朱く(アカク) 遠く(トオク)
黄昏が
足音繋ぐ
二人(フタリ) ひとつ(ヒトツ)
葛の葉に覆われた街
嘘を重ねてきた
だからわかってる
時が動き出すなら
僕らの居場所はここじゃなかった
ボロボロの 王冠を もてあそぶ 君に問いかけよう
(Are you starving?)
きっと君は尊大に腕を高く組んで笑う
(I'm crowner of my Queen.)
北にまたたく ひとつ星(ひとつぼし)に未来を託そう
(I’m starving all time.)
焼きごてみたい はっきり記そう
君の描いた標(しるべ)
(Your crown is the sign of gluttony.)
Goodby dearest world.
イメージデザイン担当より
ついに最終回! ということで、今までジャケ絵に登場した方々をまとめて全部盛りにしました。大夢パイセンはここに至って初登場です。
向かい合い手を差し伸べる十夏とエヒカ。二人の間で輝く王冠は今までのものと違い、契約者を傷つける牙のような意匠を無くしています。隷属ではなく対等、二人の間に出来た絆による新たなる契約の証という意味を込めました。
背景は夜明けをイメージ。夜の闇(エヒカ側)から光(十夏側)へ。二人の、そして登場人物全員の新たなる始まりを表現しています。
イメージデザイン担当として1話から関わらせていただきましたが、こうして完結を迎えることが出来たことは実に感慨深いものがあります。自身でキャラクターのデザインを起こしたり、一枚絵にどんな意味を込めるか考えたりすることの楽しさを改めて実感できた気がします。多少は画力も向上した気がするし……。
この数年間、葛葉市という舞台とそこに生きる人達のお話を、一読者としても楽しませていただきました。そんな物語の一端を担う機会をくださったローズ倶楽部の皆様、そして作品を手に取っていただいたユーザーの皆様に、心より感謝を。
ありがとうございました。そして、お疲れ様でした!